252 ~生存者あり~
「海猿」と「日本沈没」を足して2で割ったような作品かなと想像していたら、「地下鉄ダイハード」の舞台版のような印象です。首都圏直下型大地震プラス巨大台風に襲われた新橋駅地下道。銀座でないのが残念。でもお隣ですから。地下鉄新橋駅には、使われていない坑道があり、戦時中の秘密トンネルで秘密兵器やお宝が埋蔵されているのではないかと密かに想像していたのですが、そのようないかがわしい伏線は全くなし。最近、CG巨編に麻痺してきて、大スペクタクルに感動しなくなってきたのは小生だけではないようで、最近の作品には、等身大の人間模様を良い役者が丁寧に演じるのが多くなりました。物語展開は単純で、見ながら、これだけ? これだけで2時間持つの? と心配になりましたが、無理な設定がない分、自然です。トラウマを持った、元ハイパーレスキュー隊員と、医者になるのがばか臭いとふて腐れ気味の研修医。この医学生の父親は親切な赤ひげみたいな開業医なのですが、わがまま勝手な患者家族から訴えられて、ショックで認知症のようになってしまい、医業などばかばかしい辞めてやれと思っていたのです。その2人が災害で地下道にけが人と閉じ込められて、人の命を救うことを迫られる中で、使命感を取り戻して行くのです。役者のクサイと分かりながらも真剣な演技に、意外と感動して泣けました。舞台劇と思って見ると納得いきます。主人公伊藤英明はハンサムすぎるのがミスキャストと思っていましたが、顔を泥まみれにしてひたすら抑えた演技に終始。この人はギリシャ彫刻みたいな顔立ちなので、トロイのアポロを演じさせたい。この映画は正月休みの女子高生をターゲットにしたのかと思っていたのですが、劇場には中高年が多いようです。娘役の子に注目。お台場のフジテレビ本社の倒壊シーンがあります。日テレ企画作成の映画です。フジテレビの復讐が楽しみです。(こ)