【銀座湖山日記/1月7日】年賀状

【銀座湖山日記/1月7日】年賀状

私の右手の人差し指には、いつも絆創膏が巻いてある。
毎朝、朝風呂の後に張り替える。
子供の時に出来たペンダコが、治らないのだ。
皮膚科に行って、焼けばなくなるのかもしれないのだが、何故かそれをしないで来てしまった。
今も、そこを親指で擦る癖が残っている。
絆創膏を貼らないでいると、出血する事があり、書類を汚してしまうので、未だに毎日、絆創膏を貼っている。
朝の出社前の儀式。
まるで、女子高生の失恋の記憶みたいだ。
それと、年と共に字を書くのが億劫になり、書痙のようになってしまった。
契約書、役員会議事録、借入証書。
皆、ストレスがかかる。書くのに緊張する。
署名をする私の手を、周りから見つめられると、更に緊張してくる。
私は、実は、気の弱い対人恐怖症なのかもしれない。
それを、頑張りと、冗談と笑顔で誤魔化しているのだ。
自分自身を。
その延長なのか、年賀状も無礼ながら、自筆で書くことは無くなった。
印刷で、来た方には、返事を出していた。
それも、今年は、完全にやめてしまった。
ご無礼を許して欲しい。
職員からも、丁寧な賀状を頂いたが、返事は勘弁して許していただきたい。
その代わり、何度も読み返して、心を和ませている。
保育園からの賀状も心温まる。
孫からの便りとは、このような気分になるのだろうか。
お取引先から、亡くなった父と宛名が連名で送られてくる賀状も、完全に無くなった。
父の関係者からのお便りも無くなった。
皆さん、亡くなったのだ。
これを機会に、無精をさせて欲しい。
ホームページには、年賀の挨拶を掲載した。
コロナの影響もあるが、外の夜のお付き合いが無くなったので、ますます蟄居の時間が多くなった。
それは、悪い事ではない。
若い頃は、お寺や、教会に行く事が好きだったが、今は、ベットの中でうずくまっている。
座禅ではなく、ふて寝に近い。
それでも、昼間は、いつも来客か、会議で喋り続けているので、孤独で静かな時間は内心の時間でもある。
この日記は、湖山の仲間への語り掛けでもあるし、心の底への自問自答でもある。
はるか昔、私は、躁鬱ではないかと、親しい精神科医に食事をしながら、相談した事があった。
返事は、一刀両断。
湖山さんほど、よく食べる躁鬱病患者はいないと、言われた。
即決の確定診断だった。
なるほど。
痩せてきたら、もう一度相談してみよう。

パルスオキシメーター 98・97・97
体温36.5 血糖186

元高校文通の友の会会長 代表 湖山 泰成

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