【銀座湖山日記/11月26日】社会の風景

【銀座湖山日記/11月26日】社会の風景

小中学校の頃は、とにかく何時も本を持って、偉人伝や図鑑を読んでいた。
通学の地下鉄、バスでも、寝床でも。
週末の家族ドライブでも、大阪万博に行った時の、新幹線、飛行機でも。
本を通して、歴史の世界に逃げ込んでいた。
ミステリーもSFも、所詮、現実逃避。
友達と遊ぶこともなく、引きこもりだったと思う。
夢見る夢男だった。
高校大学は、授業もさぼって、図書館に引きこもっていた。
夏休みは、毎日のように、図書館に通った。
寝袋を持って、図書館で暮らす事を夢見ていた。
小中高は、毎年、図書委員をしていたのも、図書館にいたかったからだ。
今なら、ネットのディズニーランド。
10代は、週末の土日は、徹夜で名画座に通った。
あらゆる映画を見尽くした気分だった。
20代は、映画館、美術館、コンサート、小劇場。
そして、新しいレストラン。
アートを堪能した。
30代は、医療福祉を通した街づくりに参加する為に、日本中を旅した。
リゾートの勉強の為にヨーロッパも周った。
医療福祉の仕事をするようになり、職員研修として、世界中の老人ホームを見て周った。
そして今は。
コロナとはいえ、殆ど、自宅のベットで、iPadか、テレビを録画で見る毎日。
父も引退してからは、一日中テレビを眺めていた。
将棋、碁、ゴルフ。
社会問題、政治には、一切関心がなかった。
政治家や官僚の患者さんが多かったのも関係したかもしれない。
そういう父だから、政治家や官僚の患者さんが多かったのだろうと思う。
リハビリ病院で、過ごすようになっても、何時もテレビを見ていた。
ぼんやりと。
何故、こんな事を書いているかと言えば、今の私も父のようになって来たからだ。
世界ニュースや、アートの特集か、世界風景の番組ばかり。
世の中の生臭い現実や、戦争の悲惨さが嫌になった。
素朴で美しい自然を、風景としてぼんやり眺める。
音楽すら、あまり聞かない。
映画も、風景のように眺めている。
小説の主人公に入れ込めない。
政治評論家や、社会批評家の論説にも納得できない。
野原と雲を、ぼんやり眺めているような気分。
リラックスと言うのか、疲れていると言うのか、ボケてきたと言うのか。
老人の世界観とは、こんなものなのか。
世は、全て空の雲の風景、今宵も事はなし。
老境の悟りか、はたまた、只の極楽とんぼか。
戦場の休暇。
今週末は、のんびりしたい。

パルスオキシメーター 98・98・99
血糖 158 体温 36.4度

夢見る極楽とんぼ 代表 湖山 泰成

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