【銀座湖山日記/5月5日】小さき命の防人

【銀座湖山日記/5月5日】小さき命の防人

小学校4年生の泰成君は、途方に暮れて泣き喚いていた。
自宅の勉強室の本棚一杯の週刊漫画雑誌のサンデーとマガジンが全部なくなっていたのだ。
1年分はあったろう。
秋田から新しく来たお手伝いさんが、全部捨ててしまったのだ。
古い漫画雑誌など勉強室にふさわしくない。
汚いゴミだと。
裏に母の指示があったかもしれない。
当時、漫画雑誌は、子供の情操教育に相応しくない悪徳の代名詞だった。
当時、溢れんばかりに湯水を浴びるように漫画に浸っている毎日ではあった。
外に遊びに出る事もなかった。
アトムや鉄人28号、エイトマンなど、SFロボット物の黄金時代だった。
でも、他にも、素晴らしい秀作が沢山あった。
手塚治虫や石ノ森章太郎は、単行本として残っているが、他の多くは今は原稿もなく、雑誌と共にゴミとなって残っていない。
もったいない事だと思う。
あれだけの雑誌が、ゴミとなった。
立派なもの、価値あるもの、貴重なもの、崇高なもの。
そんな物は誰かが大事に抱え込んでいる。
そうでない、時代習俗の小さな命は、消えてなくなってしまう。
漫画しか読まない総理大臣がいた国だ。
クールジャパンの国家予算は、古き日本の勃興期の漫画原作の発掘に光を当てて欲しかった。
日比谷高校の図書委員長の時、神田の出版社の週刊誌編集部に取材に行った。
その時、図書室を見学させてもらって、週刊サンデーの創刊号を手に取る事ができた。
感激だった。
その後、毎週日曜日に、ジャケットにネクタイ姿で、その図書室に通った。
ビルの裏の職員通用口から。
フリーのライターの如く装って、守衛さんに挨拶して勝手に入り込んだのだ。
泰成君が、出版社の図書室は宝の山だと知ったのは、それ以来の事である。
ビルの裏口から、入ると、その会社の裏の顔が見えると知ったのも、それ以来の事である。
その時も、出る時は、表口から堂々と。
でも、時によっては、裏口から入るのも一興と、知っておられたら宜しかろう。

本日職員新規PCR検査陽性者3名
ご苦労様です。感謝いたします。

今朝のパルスオキシメータ 97・99・98
食前血糖 233 昨夜白米過多

努力友情勝利 代表 湖山泰成

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