【銀座湖山日記/4月25日】小劇場の夜

【銀座湖山日記/4月25日】小劇場の夜

20代の頃は、週末は、新宿で売れない作家や、映画監督、小劇団の役者と飲み明かした。
時々、チケットを買って、酔いに任せて、観に行った。
アングラ劇の頃で、寺山修司の天井桟敷や、唐十郎の状況劇場の時代。
怪しげで、猥雑で、若者の生命力と葛藤をぶつけた意味不明の舞台。
週末、深夜の新宿に似合っていた。
酔って、感情を吐露する自称役者の若者に、酒を注ぐのも酒の趣向の一つだった。
義理で、チケットも買った。
隣の良い潰れている、役者に同情したのか、関心があったのか。
今思うと、介護だったような気がする。
最後に観たのは、つかこうへいの熱海殺人事件だったろうか。
若者文化の絶頂期だった。
観た回数より、酒場で、酔客と面白いと喚き立てる回数の方が、多かった。
新宿の酒場と小劇場の空気は一体。
役者の肉体と精神は一体。
アルバイト生活と、舞台の配役の人生とは、不可分。
役者も、観客も、その世界、人生に浸り切らないと、楽しみきれないのが、その世界。
ファンとしても、中毒になっているので、その世界から足を洗って、まともな社会人に更正するのは大変。
病院の経営再建に全身全霊を捧げなくてはならなくなって、その新宿の映画演劇の世界空間から、遠ざかった。
40年以上の前の青春時代の事。
小学校の泰成君から、バーカウンターで、夜を明かしている、湖山さんに変わった頃だ。
昨夜、久しぶりに、小劇場に足を運んだ。
絶叫調のセリフ回しと、演技過剰は、ストーリーなど関係なく、全く気にならない。
懐かしくも、切ない。
青春を思い出す、一夜だった。
湖山Gは、湖山劇団。
まあ、私は、舞台の上で、生涯経営者を演じている役者とも言える。
経営者は、1人舞台。
群衆の中の孤独。
愚痴らずとも、今週も、皆に会いに行く。

本日職員新規PCR検査陽性者0名
ご苦労様です。感謝いたします。

今朝のパルスオキシメータ 97・98・97
食前血糖 157

小屋主 代表 湖山 泰成

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