【銀座湖山日記/10月25日】父の地図帳 

【銀座湖山日記/10月25日】父の地図帳 

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聖道理事長は、91歳で亡くなるまで、6年間リハビリ入院をしていた。
病室に行くと、いつも、ベットを半身起こして、テレビをじっと観ていた。
医師として現役時代は、テレビは、週末にまとめて、囲碁将棋ゴルフを観るくらいだった。
いつも、帰宅は、午前様だったのだから。
でも、地図帳を見るのも好きだった。
寝室とトイレに、大きな世界地図と東京地図が置いてあった。
トイレの時間が長丁場だったわけだ。
父は、一時、総理の主治医として外遊に随行して周っていた。
そのお思い出に浸っていたのかもしれない。
その地図帳は大事に私の手元に置いてある。
今にして思う事は、父は思い出に浸っているのではなく、自分の記憶力を確認していたのだろう。
心の鍵、という映画がある。
記憶喪失になった男が、我が家への道の記憶を取り戻して行く愛の物語。
私の大好きなストーリー。
父は、過去の生活を思い起こしていたのか、地図上での旅行を楽しんでいたのか。
生きている間に、聞いておけば良かった。
現役時代は、一日中、病院にこもっていたので、週末のドライブやゴルフは欠かさなかった。
毎週、同じドライブコースだったので、本当は地図を見るまでもないと思うのだが。
小学生の頃の実家には、大きな地球儀があった。
私がおねだりしたのだと思う。
今は、自動車のナビや、スマートフォンのマップで、便利になった。
でも、地図帳や、大きな地球儀が懐かしい。
手に触れる感触を求めているのかもしれない。
手書きのメモを並べる。
藁半紙(今でもあるのだろうか)に工程表を書く。
図を書く。
手で考える、習慣がなくなった。
碁や将棋の名人みたいに、天井を眺めながら、頭だけで打てるようになるわけではない。
私は、経営戦略は身近な職員に考えを話をしてみて、その反応を見ている。
顔つきを見ている。
最近、反応が鈍いので、面白くない。
どこかに、私の対戦相手はいないものだろうか。

本日職員新規PCR検査陽性者0
ご苦労様です。感謝致します。

今朝のパルスオキシメータ 99・99・99

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【銀座湖山日記】

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