【銀座湖山日記/3月6日】神が降りるのを待つ

【銀座湖山日記/3月6日】神が降りるのを待つ

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小学校の5年生の時から、映画評論家の淀川長治の「映画友の会」に毎月通っていました。
虎ノ門の自転車会館です。今はないかもしれません。
父の勤務する虎ノ門病院の近くだったので、行けたのです。
第3土曜日の午後、ランドセルを背負い、1番前の席に座っていました。
淀川さんは、晩年、映画友の会の事を話すと、決まって、1番前の席でランドセルを膝の上に乗せて、一心に淀川さんの顔を見つめていた、男の子の事を話していたそうです。
当時は、大学生が多かったのです。
その、つぶらな瞳の可愛い不良小学生は、間違いなく泰成君です。
淀川さんの映画解説は、落語より、面白く、今でも強く記憶に残っていて、泰成君の人生の珠玉の言葉となりました。
その、映画秘話の中の1つ。
名優の2つのタイプについて。
1つは、練習に練習を重ねるアクターズスタジオや、舞台役者タイプ。
演出家に従って、育つタイプです。
役作りの為に、太ったり、痩せたり、本当にピアノを弾けるように練習したり、
ダンスやバレエ、歌を1年かけてプロに習う。
アクション俳優にもいるでしょう。
本気でボクシングや空手を練習する。
スタントマンを使わず。
トム・クルーズは、次回作で本当に宇宙に行くそうですが。
別のタイプは、天才肌。
一切練習などしない。舞台合わせも嫌い。
明け方迄飲んできて、二日酔でも、神父の役を演ずる。
腹一杯食べた直後でも、無人島で遭難して、飢えで苦しむ演技ができる。
一度でも、演じたら、もう気が入らない。
気が乗らない。不貞腐れる。
テイクワンに全てを賭ける。
テイク2はない。やればやるほど、おかしくなる。
わかる気がします。
練習して、慣れてする事は、本物ではない、本気ではない、真実ではない気がしてしまう。
無我夢中で、理性ではなく、感情のままに言うことは、嘘ではなく本音だ。
抑えきれず、言ってしまった。
真に迫った演技と言う事でしょうか。
舞台俳優とは、何度演じても、慣れない、上手くならない役者の事。
何回やっても、初回と同じ新鮮な気持ちで演技できる。
何回でも、躓いて転んでも、わざとらしくない。
びっくりして、カップを落としても、本当に驚いているように見える。
何度練習しても、身に付かない、クセにならない、楽にならない、上手くならない。
そういう気質の人が、名優となるそうです。
勉強する秀才と、勉強しない天才。
そう、泰成君は、天才ではない後者タイプです。
泰成君は、挨拶原稿があると、途端に棒読みになって、気持ちがこもらなくなって、途中から原稿を捨ててしまします。
こんな事を書いているのは、昨日の入職式の挨拶録画が撮り直しになったのです。
日々の疲れで、表情に生気がないとカメラマンに言われた事もありますが、昨日の日記に思いを書いてしまったせいで、今一つ気持ちが入らなかったのです。
私は、一生、経営者を演じているのかもしれません。
寿命を終えた時が、舞台を降りる時です。
月曜日に撮り直します。
保育園の卒園式用のビデオは無事収録できました。
原稿もなく、その時に感じる気持ちのままに話したからです。
頭にあったのは、泰成君自身が園児だった時の思い出です。
準備も計画も練習もない。
人生そのままの式辞しか出来ません。
慣れることも、上手くなる事もありません。
思いそのままの言葉。
そのままの言葉で、毎朝、思いを送ります。

本日新規職員PCR検査陽性2名
御苦労様です。感謝致します。

今朝のパルスオキシメータ 97
湖山G代表 湖山泰成

解説

解説に関しましては以下URLをご参照いただければ幸いです。

http://koyama-cn.com/?p=17750?cat=11