喜劇映画で、映画監督の登場シーン。
助手が折りたたみのディレクターズチェアを広げる。
何故か、ベレー帽の監督が脚本を丸めて手にして登場。
首に下げたメガホンで、ハイ!スタートと叫ぶ。
同時にカチンコが鳴る。
カチン!
黒いボードには、白墨で「S3−4−5」書かれ、カチンコのアップ。
陸上競技のホイッスルでは、さまにならない。
カチンコは、撮影のスタート、終了を監督が指示命令する為のもの。
音と、番号の両方に大事な意味がある。
番号は「シーン3、カット4、テイク5」と読む。
同じ、セリフのカットの5回目。
そろそろ役者さんも疲れてきたが、監督がこだわり続けている。
子供や犬が、脚本どうりに動いてくれない。
江戸時代の設定なのに、空に飛行機が写ってしまった。
などで、幾度も取り直す。
地下の映画館での撮影で、隣を走る地下鉄の列車音が入ってしまい、幾度も撮り直した事を思い出した。
私は、映画館の客役のエキストラで客椅子に座り続けていたから。
仕事をサボって、映画館に昼寝に来たサラリーマン役だった。
わざわざ、湖山グループの紙袋を手にしておいた。映らなかったけど。
スタートの監督の声だけでは済まないのは、録音の音合わせの為。
録画と、録音の設備は同調してないので、編集で、頭合わせが必要。
あの、カチン!と言う拍子木の高い音で、映像と音声の頭出しをする。
今のビデオでは全く必要がないので、その苦労はわからない。
頭を揃える。と言うのは、最近あまり見なくなった。
先頭に習う朝礼の列。
マスゲーム、行進。
映画撮影において、記録係と言うのは、監督より、大事だったと思う。
このシーンがまだ、終わっていない。
もう、役者の日にちの押さえがないのに。
天気が悪くて、日が落ちて来た。
エキストラの数と弁当が足らない。
なんと言っても、もう予算の足が出ている。
監督なんとかしてください!
監督は撮影を休止して、役者をなだめに、金を無心しに、回る。
その間、助監督が、風景シーンを撮影していたりして。
私は、本物のカチンコは持っていない。
でも、カチンコデザインのカフスを持っている。
誕生日のプレゼントに頂いた。
起工式用に、ディレクターズチェアを用意させようかな。
何故か、椅子には、皆名前入りだ。
最後のセリフは決まっている。
ハイ!カット。
本日の日記を書くシーンは無事終了いたしました。
今日迄湖山にコロナ2人 ご苦労様です
感謝致します
湖山グループ 代表 湖山泰成