【銀座湖山日記/9月10日】特養ホームから美術館に

【銀座湖山日記/9月10日】特養ホームから美術館に

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銀座本部ビルには美術品オークション会社がテナントとして入っている。
上場している業界大手。
年に数回オークションに参加したことがある。
と言うのは今年はコロナで開催されなかったからだ。
仕組みは映画テレビでお馴染み。
番号札を上げて、金額を吊り上げる。
事前に参考価格入りのカタログを見て、上限価格を定めて置くのだが、熱くなってつい競ってしまう。
また、進行係はあおるのが上手い。
見ているだけでも、テニスよりより面白い。
殆どがプロ。画廊の仕入れ。
私如きの素人は、のめり込まない様に、隣に本部スタッフに同席してもらう。
電卓を叩いて予算を超えると、ゲーム終了を告げてくれるのである。
タオルを投げられたボクサーの気分。
その度に、家賃を上げればいいじゃないかと、冗談を言うのだが。
時々、揃いに揃ったコレクションに出逢う。
アンティークなオルゴールばかりとか、人形ばかりとか。
財産家が一生をかけて収集した、羨ましい限りのコレクションである。
展示品を見るだけで、その人の人生、価値観、センスがわかる。
何故これ程のコレクションをオークションで散り散りにしてしまうのか。
誰かまとめて引き取る資産家はいないのか?
何処かの美術館に寄贈すれば良いのに。
聴くと、相続税の支払いの為やむ負えないのだとか。
オークションのバラ売りが1番高く処分出来るのだそうだ。
本当のお金持ちだと、財団で美術館まで作るのだろうが、誰もが出来るわけではない。
小生も財産を社会福祉法人に毎年寄付しているので、美術品コレクションを持つ程の余裕はない。
持っても、死ねば税金の為に散逸されてしまう。
それならば、社会福祉法人に美術品も寄付すればよろしい。
社会福祉法人の財産はお国の物。
個人、会社の手を離れる。
美術館を新たに建設せずとも、特養ホームそのものを美術館にして仕舞えば良い。
入居者様も、ご家族も、職員も、地域の人も皆さんも鑑賞出来る。
作家も出来れば、地元にゆかりのある人が良い。
美術館の看板を掲げれば、イベントを主催しなくても、何時でも来て貰える。
自由に鑑賞して貰えば良い。
地産地消は、農産物だけではないはず。
文化も、工芸も、芸術も。
そればかりか、地元出身のアーティストの支援も。
特養ホームは地域福祉だけではなく、地域アートの文化館となる。
入居者は美術館に住んでいると思って下さい。介護付きの。
それが私が目指す、自分が暮らしたいホームである。

今日迄湖山にコロナ2人 ご苦労様です
感謝致します

湖山グループ 代表 湖山泰成