【銀座湖山日記/7月5日】大転倒から全速力

【銀座湖山日記/7月5日】大転倒から全速力

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小学校1年3組13番 泰成君初めての運動会。
当時から肥満児。大柄。
並ぶと後ろから2番目。
メインは徒競走。
母親が皆見つめている。
クラス最後のチーム。
隣は1番大柄な選手。
運動音痴の自分でも、只前に走るだけなのだから、必死に走った。
でも、隣の選手に抜かれそう。
1位2位のデットヒートで、声援が飛ぶ。
夢中なあまり、腕が接触し、私は飛ばされ、大転倒。
真横に転がり、弁当を食べている家族の席に転がり込んだ。
何も考えず、直ぐに飛び起き、また、全力疾走。
他の選手が皆ゴールインしているのに、必死に全力疾走。
とにかく、ゴールまで走るのだ。
観客は大拍手。まるでトップランナーみたいに。
ゴールには、先生が両手を広げてゴールを切る泰成君を抱き締めてくれた。
満面の笑顔で。
良くやった、よく走った。
泥だらけになった顔を拭いてくれた。
校長の終了挨拶でも、転倒しても、最後まで全力疾走した私の事を褒めてくださった。
親達にも、教師達にも、散々頭を撫でられて、褒められた。
人生であれほど褒められた事はなかったのではないか。
そのせいで、卒業まで、先生方の受けは大変良かったように思う。
走るのが得意な生徒はヒーローだった。
でも、ビリッケツの肥満児君は優勝者よりも、栄光に輝いていた。
その時は何がなんだかわからなかったけど。
今なら分かる。
失敗しても、負けても、最後まで全力を尽くす。
所詮、成功しない、負ける。
であっても、妥協しない、手を抜かない。
その一途な人間性と根性が上席上司の心に届くのである。
子供のクラスメートからは、転倒した敗者と馬鹿にされただけだった。
子供の価値観では評価出来ないのである。
でも、大人には評価された。
今、経営者の私が部下を評価する時。
同様な気持ちで見ている。
成功だけを誇り、失敗は自分の責任ではない、担当ではない。
という、顔をしている職員を、信頼して好感を持つ事はない。
負ける時こそ、全力で大負け。
大いなる成功より、輝いて見える。
その時の優勝者は誰だったか覚えていない。

今日迄湖山にコロナ1人 ご苦労様です
感謝致します

湖山グループ 代表 湖山泰成