30年位前です。
病院会で、アメリカの様な客観的な病院の評価基準を作るべきと言う意見が高まりました。
東大の教授を委員長にして、様々なタイプの病院の理事長、院長がメンバーとなります。
最年少でみそっかすの私もその調査研究メンバーにれてもらう事になりました。
中小病院の立場の委員だったのだとおもいます。
と言うのは、他の委員は大学病院の教授、公的病院の院長と言った方もいました。
見学の際は何時も最後尾でついて行きます。
2日間で、施設見学、カルテ帳票のチェック。
院長、看護部長のプレゼンを受けてからの質疑。
全国の有名病院巡りです。
10位の病院をメンバーで討議し、調査分析しました。
私は何の役にも立てなかったと思います。
私が発言する時は、何時も普通の企業、サービス産業との意識価値感の違いを指摘しました。
世の中の仕事と会社はまず収入を得る為です。
利益を上げて所得を得る為のビジネスです。
でも、医療福祉教育には公的事業の側面と社会事業としての倫理公平性も求められます。
公と私が螺旋階段みたいに絡められて成り立っています。
光の当て方によって、金のように輝いたり、鉛のようの重く艶部きます。
私には民間医療の病院は私的事業と思えます。
ある病院に入った時に、委員長の教授は私に囁きました。
湖山君、病院の良し悪しなど、入って15分でわかるよ。
ロビー廊下の掃除が行き届いているか、すれ違う職員が笑顔で挨拶出来るか?
2日もかけてカルテを見る必要なんか無いよ!
今でも真実と思います。
医療の質もありますが、私には法人のガバナンスに関心がありました。
公的病院と私的病院の法人の成り立ちの問題は今も変わりません。
医療法人にも個人の持分があり、殆どは子供に院長を継がすファミリービジネスです。
でも、神社も、お寺も、保育園も、私立学校も殆どはファミリーが継いでいます。
私物化と指摘するのは簡単ですが、実は後継者がいないのですね。
親夫婦が苦労して築いて来た地方の老舗旅館が舞台だと想像して下さい。
女将のお母さんが過労で倒れてしまいます。
温泉協会理事の父に経営手腕はありません。
赤字で倒産間近です。
大手ホテル会社に乗っ取られそうです。
番頭さんが東京の銀行に勤めている長女にお願いに行きます。
お嬢さん、お願いですから戻って女将を継いで下さい!
彼女には当然エリートの彼氏がいて、ニューヨーク支店転勤前に結婚してついて来て欲しいとプロポーズされたばかりです。
それでも、彼を振って、若女将となって故郷に戻るのは、朝ドラの主人公だけです。
今迄は、日本の医療も福祉も農業も家族で継続して来たのですね。
その良さと弊害。
父と私は、この医療福祉事業は湖山家は創業親子2人で終わり。
そう誓い合ってここまで来ました。
家業は私で終わり。
次は君たちの時代、君達の湖山です。
今日迄湖山にコロナ1人 ご苦労様です 感謝致します
湖山グループ 代表 湖山泰成