37年前の銀座の救急病院の会計受付です。
私はカウンター後ろのカルテ棚から、受付業務を1日黙って見ていました。
病院の全ての受付会計を3人の女性が全てを取り仕切っています。
外来、入院、救急、健診、全ての受付と会計です。
椅子が足らず、立っている患者様もいます。
医師も看護婦も事務もまともな時間に昼食を食べられませんでした。
私も、近くの立ち食い蕎麦に行けるのは3時を過ぎてからです。
そこでよくうちの事務職員に出会いました。
何時も、私は狐蕎麦、彼女は素うどんです。
コンビニはまだ近くにありませんでした。
カルテ棚の後ろには医事課職員がいます。
電話受付も兼務です。
ロビーも事務も騒々しく、駅の改札の様です。
そこに救急患者が搬送されて通るのです。
都心の救急ですから若いビジネスパーソンが多く、感染症など心配する余裕はありません。
まさしく都心の野戦病院、避難所です。
6時になります。
外来終了、キャッシャーを閉めます。
素早く現金計算をして、数字を打ち出したロールペーパーの積算数字と合わせます。
すると彼女は引き出しから重そうな紙袋を取り出し、中から数百円を取り出してキャッシャーに入れました。
どおりで、現金会計が毎日1円の誤差もなく合うはずです。
超現金会計です。
毎日の現金誤差を引き出しの袋から出し入れをしていました。
私は震え上がりました。
子供の時に見た、八百屋さんの現金を投げ入れるザルを思い出したからです。
銀行では1円が違っても合うまで帰れません。
誰も盗む訳でも誤魔化す訳でもない。
通年での誤差は殆どありますまい。
1円でも大事な銀行。
お金よりも命を救う1秒が大事な病院。
銀行から救急病院と言う異国に来た初日のカルチャーショックです。
今は当時のシステムも現実的だったなあと考えます。
その後、銀行口座からの引き落としシステムと、預かり金前払い制度を考案します。
でも、不人気で使う患者様はいらっしゃいませんでした。
何時も私は早過ぎるのですね。
電子マネーの時代になりました。
お札の数え方を練習した、フレッシュ銀行マンだった時代が懐かしいです。
今日の現金は合っていますか
今日迄湖山にコロナゼロ ご苦労様です