【銀座湖山日記/6月8日】見えない人

【銀座湖山日記/6月8日】見えない人

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銀座の週末は歩行者天国になります。
昔で言う銀座通り、今で言う中央通りです。
直接で1250メートルあります。
何よりも銀座全体がフラットで、バリアフリーです。
地下鉄からのエレベーターも完備している方です。
パラリンピックに向けて、車椅子で行きたくなる日本で1番バリアフリーな街になる。
銀座街づくりの長期テーマです。
数年前から、学生や若者と10人位で、銀座車椅子ツアーをします。
銀座本部から出発し、8丁目から1丁目まで、2人1組で銀ブラをします。
乗る人と押す人のコンビです。
8丁目で折り返す時に交代します。
普段は車道で歩く事のない、銀座通りの真ん中を車椅子で移動しながら銀ブラをする。
違うポイントから違う視野で銀座を見る。
私自身、いつも新鮮でワクワクします。
8丁目の博品館では混んでいて売り場迄車椅子では行けません。
デパートの車椅子トイレは女性トイレの入り口にあり、男性は行きづらい。
何よりもメインイベントは4丁目と5丁目の間の晴海通りを渡る事です。
20メートル四方のクロス交差点を怒涛ののように人の群れが動きます。
車椅子で渡ると、凄く怖いのです。
視野の高さの違いからもあります。
向かいの迫って来る群衆の人と目が合わないのです。
近づいて来る人も、追い越して行く人も、車椅子に乗っている私を無視して行くのです。
まるで私が透明人間で有るがの如く。
目の前の直前で道を開けてくれますが、視線を合わせないのです。
シカトされる気分というのでしょうか。
これ位暗くて不安な気分はありません。
路面の喫茶店に入っても、周りのお客さんは一切見えない素振りをします。
まるで、視線を向けるだけで失礼に当たるのではないかと遠慮します、と言った風情です。
隣のアメリカ人らしいカップルは声をかけて来るのですが。
最近銀座に車椅子の人が増えて来たのは誇らしい事です。
でも、視線を向けては失礼という日本の習慣は外国からの人には誤解されてしまいます。
礼儀の文化ではなく、外国人差別であると。
病人、障害者に対する態度も同じではないだろうかと考えました。
自分は社会からは“見えない人”
礼儀正しく優しく親切な日本人として理解されたい。
その思いをどう相手に伝えるか?
異文化間コミニケーションの問題であるだけではありません。
私達自身の人間性を問われていると思います。
自動運転車椅子の開発を構想しています。
便利になっても人間の本質を益々問われる事になるでしょう。

私の車椅子を押して頂けませんか

今日迄湖山にコロナゼロ ご苦労様です

感謝致します

湖山グループ 代表 湖山泰成