【銀座湖山日記/5月23日】日本のSF

【銀座湖山日記/5月23日】日本のSF

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10代の頃は日本SFの勃興期です。
星新一、筒井康隆、小松左京と言えばお分かりになるでしょう。
ボッコちゃん、時をかける少女、日本沈没をご存知の方は私の歳に近い方です。
新人の頃から才能を見抜き、ファンとなって次回作を心待ちにするのは読者の醍醐味です。
SF漫画から海外SF、そして日本SFが花開きます。
その創生の頃に10代を過ごし、新作の洗礼を受けたのです。
毎日のように駅ターミナルの巨大書店に寄って、本棚をチェックします。
新作を初日に買って徹夜で読了しないとファンダムについていけません。
SFマガジンがバイブルですが、やがて作家毎にファンダムが設立され、自然に同人誌が生まれます。
私は高校の図書委員長をしていたせいか、1番熱狂的ファンだったのか、やがて直木賞を取る事になる作家のファン雑誌の初代編集長になります。
本来なるべきリーダーが突然脱会すると言い出したからです。
理由が、作家とは作品を通してのみ付き合うべきであると気がついたから、と言うのです。
私も、作家のグルービーばかりの雰囲気になじまず、直ぐに退会する事になるのですが。
作家や監督、役者に会いたいと言う人は多いのですが、その人はファンダムの会長をあっさり辞めてしまったのです。
なんと潔いことか。
スターに会ったり取り巻きの会合に遠慮するようになったのはその時の記憶が尾を引いているのだと思います。
銀座にいるとそう言う方のパーティーや、出会いもあるのですが、生の人間よりも、頭の中の主人公のイメージを大事にする様になりました。
架空の世界、仮想の物語に憧れるのは、現実からの逃避です。
医療福祉の仕事の現実の重みと、バランスをとっているのだと思います。
この日記は私の心の旅なのですね。

湖山グループ 代表 湖山泰成