銀座のロータリーに入会したのは、30代の頃でやはり当時は最年少でした。
今でも、中堅の世代です。
銀座の老舗、企業のオーナーか役員。
ホテル、百貨店の支店長。
新聞社の顧問、中央官庁のOB、弁護士、医師。
老舗系と大企業系の経営者が混然と仲良く銀座を誇る紳士クラブです。
勿論、皆さん父親の世代です。
今は女性会員もいますが、当時は会員は男性のみでした。
会員のご婦人の会もありましたので、女性会員の夫の会も作るのかなどと話が出たのを覚えています。
実は最初は父理事長が勧誘を受けたのですが、現職救急病院院長だから勘弁して下さい。
変わりにならないと思いますが、息子で良ければどうぞ。
と言ういきさつだったのです。
とにかく、銀座を通して世界が拡がりました。
新聞でしか知らなかった名経営者と直にお話をする事が出来たのです。
秘書を何人も使う経営者も入会2年は雑巾掛けです。
受付や会員のお世話係、イベント、旅行、地域ボランティアで汗をかきます。
会員への連絡も自分自身でしなければなりません。
突然会長から直々に電話がかかってくるのですから頼まれると断る訳には行きません。
印象的だったのは誰でも知っている宅急便の会長さんです。
新橋のお座敷です。
会長が手をポンポンと叩いて中居さんを呼びます。
何時ものお師匠さん呼んで!
新橋最高の踊り、三味線、謠の名人ばかり。
先ずは踊りの立ち姿の美しさ、艶やかさ。
あんな色っぽい和服の女性の立ち居仕草は見たことがありません。
しかも、3人合わせると200歳をこえると言うのです。
ロータリーの古典芸能文化財保護事業なのだと膝を打ちました。
今や杖を持とうかと言う自分が情けないばかりです。
それにしても昔の財界人はきっぷが良かった。
今は亡き、銀座の先輩の思い出です。
そんな時代を思い起こすのも、これ程人気の消えた銀座は初めてだからです。
日本の社会、生活風景の大転換期を迎えたのだと思います。