【銀座湖山日記/5月7日】ロシア王立バレエ学校

【銀座湖山日記/5月7日】ロシア王立バレエ学校

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小学生の頃です。
ロシア王立ボリショイバレイ団の来日公演があったのでしょう。
テレビで、来日したボリショイ王立バレエ学校の校長先生のインタビュー番組を偶然観る事がありました。
針金のような引き締まった体型。
ひっつめにした髪に小さな顔。
ポパイのオリーブみたいな容姿。
薄く高い鼻に鋭い怖い位の鋭い眼光。
ガラスの仮面に登場するバレエの先生だと思って下さい。
沢山の日本人のバレエを学ぶ子供を見た様です。
インタビューアーが質問します。
才能ある子をどうやって見いだすのですか?
先生は怖い顔のまま淡々と答えます。
ロシアの学校には毎年何千人もの子供が親に連れられて来ます。
「この子は才能があります。将来のプリマドンナになります。
今でもこんなに足が上がります。開脚が得意です」と。
その親にこう言って子を連れて帰らせます。
バレエの開脚は緊張の美しさなのです。
すぐには上がらない足を痛くても、頑張って練習して苦労して上げられるようにしたから、美しく見えるのです。
産まれた時から関節が柔らかく簡単に開脚出来る人はプリマドンナになれません。
苦難と努力の果てに、バレエの美しさは生まれるのです。
小学生の泰成くんはその時から芸術の素晴らしさ、芸術家の偉大さを知るのです。
全ての芸術、芸能は人生をかけた努力と犠牲の上に花開くと。
つまり、自分はピアノを弾いたり、歌ったり、踊ったり、絵を描く事をサッサと諦めました。
苦難の努力を自らにかすよりも、手短に、劇場、映画館、美術館、図書館に通って天才のオーロラにひれ伏す方が身にあっていると、秀才的に悟ったのです。
それ以来、ディレッタントつまり芸術や学問を趣味として愛好する遊び人の道をひたすらに歩みます。
銀座の御隠居誕生のきっかけの秘話です。

仕事をはじめたばかりで上手く出来ないと嘆いている君。
軽く何でも出来る人は大成しないと良く言われます。
後に名人と言われる人も、弟子の頃はオレは才能が無いとスランプの時期があったと言います。
私達凡人は才能よりも信念と努力です。
天才の才能は劇場に行って堪能しましょう!
チケットを買って下さいね、お願いします。
今はテレビで宝塚劇場を観ても。

天才は悲劇、秀才は面白くない、凡人は幸せで楽しい!
湖山グループ  代表 湖山泰成