【銀座湖山日記/4月30日】日曜洋画劇場

【銀座湖山日記/4月30日】日曜洋画劇場

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私が小学校5年生くらいの年から、テレビで「日曜洋画劇場」の放送が始まりました。
未だ心ある映画ファンからは批判も多いのですが、日本に日本語版の洋画と、声優の人気と、淀川長治氏に始まる映画解説者の地位を確立したのはこの番組の功績です。
日本の日曜の夜は風呂上りに、テレビの前でビールとジュースで家族団欒の時間となります。
番組のスポンサーに気兼ねして、今では許されないような編集、翻訳が当たり前のようになされていました。
台本を無視してアドリブで人気の吹替声優もいました。
自動車会社がスポンサーだと、交通事故で死んだ友人は病死になります。
洋酒会社がスポンサーだと、アルコール依存症がノイローゼになります。
でも、毎回登場する解説者の淀川さんは、それでも日本人にアラン・ドロンやブリジッド・バルドーを観てもらえるなら良いではないかと何時も番組をかばっていました。
仔細にこだわり批判して何もやらないのか、方向性と本筋が間違っていなければ、最初は良しとして前に進むかどうか。
経営上迷う事は多いのですが、医療と福祉の向上になり、湖山の職員がやりがいを持てるのなら、先駆的にトライしようと言う湖山の経営方針につながるかもしれません。
非現実的な設定、あり得ない偶然ばかりのストーリー展開。
仮想実験、スペクレイティブ、シミュレーション。
新規事業計画の審査実施検証にも役に立つ想像力を育ててくれます。
小説家、政治家、医師会理事の知人は皆映画ファンばかりです。
そう言う趣味の方としか話が合わないのかもしれませんが?今もテレビ放送の映画は全て録画して、深夜早送りでチェックします。
最初と最後をわずかに観て、後は目を閉じて日本語のセリフを聞き流しながら夢の世界に入ります。
日本語吹替文化の良さでしょうか。
良い映画は人生の節目ごとに、己れの成長に老いに伴って、10年毎に観て下さい。
観た時の年齢環境によって、感想が微妙に変わります。
年齢による人生観の変化で、若い時には気づかなかった、登場人物の思いや監督の意図に改めて気づくのです。読書と同じです。
昔の記憶とエンディングが違うなと思う時があります。
過去の記憶は自分に都合よく覚えています。
主人公は死んだ筈だと思っていたら、生き残って去って行ったり。
古い映画を観なおして記憶を再確認するのを私は、「湖山式映画認知症診断スケール」と呼んでいます。
何時かは、私の博士論文となるでしょう。
映画で人生を理解し、映画で人生の悲しみを悟ります。
今日もテレビで「ゴッドファーザー」が放映されます。
私の「人生の映画」の一作です。
実は「part2」の方が好きなのですが。
下らない映画も観ます。
不味い料理も知って、ご馳走の味に感謝出来るのだ思います。

また来週お会いしましょう、サヨナラ、サヨナラ。
解説 淀川長治

湖山グループ 代表 湖山泰成