銀座シネマタイム22 『お買いもの中毒な私』

銀座シネマタイム22 『お買いもの中毒な私』

『お買いもの中毒な私』

レベッカは25歳。夢はファッション誌の編集者。憧れのNYライフを満喫している彼女の最大の悩みはお買い物依存症。カード地獄。少女漫画そのままのラブコメディー。おバカでかわいい夢みる主人公。まじめで堅実なルームメイト、堅物な御曹司の上司で恋人に囲まれている。親切な友人の助けをかりて、買い物依存症から離脱更生を頑張るのだが、例によって、悪魔の誘惑に抗しきれず、仕事も友人も恋人も失うはめに。でも、どうやって立ち直っていくのかは観てのお楽しみ。ヒットメーカーのジェリー・ブラッカイマー制作なのでツボは外さない。不況の時代、安心して軽く楽しめる。この映画の本当の主人公はファッション。衣装デザイン担当者はプラダを着た悪魔、カシミアマフィアを担当した。プラダほどの豪華優雅さはないが、若い子の手の届くファッションを見せてくれる。オープニングで主人公が身に着けているジャケットとパンツは日本の109で購入したもの。モデル体型ではない、ふっくらとした主人公は身近な感じがする。滑り止めで入社した経済誌で、おバカなお買い物で学んだ教訓を書いて、世間にバカ受けしてしまうのは、昔の映画で、釣りを全くしたことがないのに釣りの入門書を書いたら、ベストセラーとなって大会に招待されてしまうという、ドタバタコメディーを思い出した。恋人役の一見ダサい風の経済紙編集長がプラダに入ったら、自分のサイズを手慣れた注文で頼んで、お金持ちお坊ちゃんを見せつけるところや、主人公が通う依存症の会合が印象的。麻薬やアルコールだけでなく、セックス依存症、買い物依存症の集団セラピーも盛んらしい。お金のあるはずのない女の子が、多数のカードで服やブーツを買いあされるのは、カードのせい。一方医療は現金払いが慣習。少し硬すぎるのかもしれない。コンビニカードの支払いシステムくらいは、病院で広まっても便利かもしれない。(こ)